令和5年度の各会計決算に対する、日本維新の会の態度表明を行います。
① 令和5年度予算について
令和5年度予算は、基本計画2023とともに策定された初の予算であり、脱炭素の取り組みやコロナ後を見据えた地域・経済の活気を取り戻す取り組み、再開発が続く中の都市基盤整備、そして子育て世帯への支援強化など、数多くの要素を盛り込み、過去最大規模の一般会計予算であったと理解しております。
② 実現に対する御礼
その中で、私たち日本維新の会として要望していた数多くの施策が実現されていったことを、まずは評価したいと思います。具体的には、シティプロモーションの展開や起業家塾の拡充、民間学童クラブの誘致や学校給食費・保育所等副食費の無償化、学校設備の整備・改築など、いずれも区民のニーズと現実の課題に向き合い、予算を活用いただいております。事業別行政評価シートについても、昨年より見やすい形に変更いただき、お礼申し上げます。
③ 改善すべき点について
他方、総括質疑でも触れたように「行政の効率化」については、まだまだ改善の余地があると考えます。区民からの要望のみならず、トップダウンで中央官庁から降ってくる様々な施策の実働も踏まえると、予算も人員も、決して潤沢ではないでしょう。予算委員会でも申し上げた通り、事業そのものが本当に今の時代に必要なのか見直す仕組みを、今後、決算の中で取り入れて頂きたいと思います。そして、限られた人員の負荷が重くなりすぎないよう、庁内DXの取り組み・リモートワークの推進など、いずれも“行政が民間の働き方改革で求めている内容”を、行政側でも“隗より始めよ”の精神で、率先して実施頂くよう、お願いを申し上げます。
④ これからの中央区について
これからも中央区は新たな住人を迎えながら、進化を続けていく街になるでしょう。そのことは期待に胸が膨らむ一方で、高い品質の民間サービスと、行政サービスは比較され続けることになります。
⑤ 中央区への愛着心について
区政世論調査によると、中央区への愛着心は平成18年以降8割台と大変高いと示されている。しかし、同時に3年間で54.6%もの人が定住せずに去っていく。この事実に、行政は向き合い、考えていかなければならないと思います。区民の多くは、政治に関して、行政に関して、サイレントマジョリティです。よほど大掛かりな調査をしなければ、その具体的な課題感は見えてこない、というわけではありません。課題の解像度を上げるためには、区民が日々、過ごしている視点・感覚を理解しようと努め、改善するという地道な行為こそ大事である、と考えます。
⑥ 中央区職員へのお願い
言うまでもなく、中央区は行政職員のおよそ9割が、区外からの通勤者です。本当の意味で当事者になることはできないからこそ、区民目線、住民目線を決して忘れることなく「自分ごと」として捉えて、各施策の執行にあたることを、これからもお願いしたいと思います。特に理事者の方々におかれましては、“細部”に目を配っていただきたいのです。例えば児童館を見て、プレディを見て「自分の子どもに行かせたい」と思えるかどうか。敬老館に行って「ここなら自分の親が来ても笑顔になれそうだな」と感じるかどうか。そして、機会があれば自分が中央区に引っ越し、住み続けたいと思うかどうか。一人ひとりの当事者感覚をぜひ、大切にしていただきたいと思います。
そして、一つひとつの具体的な業務、すなわち価値提供は理事者の皆さま方の熱量と、現場にいる職員の方々のご尽力に依拠していくものと考えます。私たち議員は、区民の小さな声を拾うことはできても、職員の小さな声をひろうことは現実的に極めて困難です。だからこそ、理事者の方々が若手職員の声や、現場でご尽力されている指定管理者や会計年度任用職員の方々も含めた、ステークホルダー全員の声をできる限り聴きながら、行政のより良い執行にあたっていただくことをお願いしたいと思います。
⑦ 最後に
最後に、総括で区長より伺いました「中央区がもつ歴史、伝統に基づき、未来に向けた役割」を果たしていくことが何より重要だと思います。今年の決算を振り返ってみても、10年間活用していく新たな基本計画の初年度として、まさに「新たなステージへ」の第1歩を着実に歩み始めていると感じます。当然、十分ではない部分も、道半ばのものもあるでしょう。ですが、その課題を認識した上で改善を続ければ、必ず目標は叶うものだと信じています。所管をもつ皆様におかれましては、できるところから着実に改革を進めていただきつつ、それだけでは動かせない山があれば、区長を筆頭に政治的な決断もしながら、20万都市の先を見据えた区政運営を、これからもどうぞ宜しくお願い致します。
⑧ 日本維新の会として同意
それぞれ提案いたしました各種要望を踏まえた上で、以降の区の運営に取り入れて頂くことを心からお願いしつつ、本特別委員会に付託されました令和5年度各会計歳入歳出決算の認定に、日本維新の会として同意いたします。