決算特別委員会での上田かずきの統括質疑(これからの教育について)をお伝えします。
①中央区らしい教育について
上田の課題:中央区らしい教育とは何か
教育費のときも触れましたが、中央区は充実した学校設備投資、そして様々な区独自職員を通して、教育の質を高めることにご尽力されていると理解しています。従来、教育は「誰もが全国統一、平等に知識を植え込むことが公教育である」という時代でした。しかし、現在は子供の個性に合わせて柔軟に教育内容を変えていくことが正しい、という視点に大きく変わりました。そして、子供の個性というのは、環境の影響を大きく受けます。すなわち、中央区で育つ子供は、この街の個性を受け継ぎ、気風をつくっていきます。そこで、教育長に伺います。中央区が目指す教育において、どのように「中央区らしさ、中央区の良さ」を教育の中で取り入れているのか、ご教示ください。
教育長の見解:豊富な地域資源を活かした人材育成ができる
まず、中央区における教育の特色を考えたとき、文科省が示す「全国一律でのルール」は通用しなくなるだろう。全国的に少子高齢化が進む中、地方創生であったり、少子化対策を軸として考えられた政策が、中央区にフィットするとは思えない。
その中で、中央区は日本有数の大企業がある他、100年を超える老舗があったり、外国企業があり国際感覚をすぐそばに感じられる等、様々な資源が豊富にあるということが強みだ。地域組織も多くあり、教育に理解がある人たちに加え、伝統・文化・歴史をもつ様々なものがあり、すでにキャリア教育では50を超える企業がお手伝いをいただいている。他区から見たら、相当、羨ましい環境なんだろうな、と思っている。
だからこそ、世界に活躍していける子を育成できる可能性が大いになると考えている。身近に、すごい大人を見られる環境でもあり、世界に羽ばたける人材育成こそが、中央区に求められるんだろうと思っている。地方創生とは違うかもしれないが、地域の伝統、歴史、文化を軸に、個性豊かな人材育成をしていきたい。
上田の想い:多様な保護者層と新旧が共存する地域性を活かした教育ができる中央区
教育長の考えは、僕とほぼ同じで大変心強く、また安心しました。近隣区と比べても、中央区がもつ「保護者の多様性」は群を抜いていると思っています。歴史ある商店街の方と、スタートアップの役員をされている方と、大企業で世界的な仕事をされている方、さらには官僚の方がいて、フリーランスの方もいる。これだけ多様な職業の方々がいるエリアは、新旧両方の住民がいるからこそ成り立つものです。築地の再開発と同じで「新しさと歴史が共存する」ことが、中央区のこれからのアイデンティティになっていくと思います。
②上田かずきの要望
上田の課題:多様な保護者層を活かしたキャリア教育を推進し、子どもたちの個性を伸ばしてほしい
1点、要望です。この厚みがある保護者層こそが、キャリア教育においてはものすごく力を発揮すると思っています。ライフプランを書くことや、オリンピック選手の話を聞くこともそうですが、それ以上に”身近な大人“の中に多様性があり、それぞれがそれぞれの持ち味を生かして輝いていることを知る。このような観点を活かした教育を今後、検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
中央区の見解:地域の大人の協力を得て、子どもたちの心に火をつける体験型の教育を推進する
私たちも様々な方からご協力いただける話を聞いている。身近な大人から仕事の熱意だけではなく、失敗談の体験などもぜひしていただきたいと思っている。子供達が大人に憧れを持ったりすることで、自分の生き方や将来像を持つことになる。中央区の保護者・PTAは大変協力的であり、企業だけでなく、様々な団体からお声を頂けていることは、まさに“地の利”を活かした教育だ。委員がおっしゃったことは、校長会の中でも共有し、子供たちの心に火をつける取り組みをしっかり進めていきたい。
また、ただ呼ぶだけじゃなくて、事前学習をやって、ワクワクしながら授業を聴ける。そんな場所をつくっていければと思っている。
上田の想い:地域・企業・NPOとの連携により、新しい時代の教育を創造していきたい
僕が考えていた「教師だけではなく、地域や企業、NPOとどのように連携し、未来志向をもつ子供たちを育てていく」という観点について、極めて前向きかつ具体的な答弁をいただけました。今の子供たちに必要なのは、偏差値だけではなく、多様性を受け入れる心と、コミュニケーション能力だと思っています。その中で「心に火をつける取り組み」という言葉も、大変良い言葉だと感じます。ぜひ“中央区の教育はすごいんだ!”と誰もが思えるような、新しい時代に合った教育をつくれればと考えています。