昨日の決算特別委員会ではようやく僕の出番がありましたので、以下に質疑(創業支援)とその背景にある想いをお伝えします!
①出張経営相談件数について
上田の課題:出張経営相談件数の増加を踏まえ、今後の事業展開をどう検討するか
出張経営相談の件数が令和3年の172件から、令和5年の367件に順調に増えています。
この事業を今後、どのように進めていくのか。
中央区の見解:出張経営相談件数の増加を踏まえ、今後の事業展開を検討
ありがたいことに、順調に利用者が増えている。今後も区として創業者をバックアップするために、起業家塾と両輪で、寄り添った対応として進めていく。
上田の想い:中央区の創業支援施策の成果と利用者増加を高く評価
中央区の創業支援施策が着実に身を結んでいるのは良いことです。単純に「知識を入れる」のであれば集団学習形式の塾でできますが、ビジネスアイデアをブラッシュアップするのは、個別に話し合う必要があります。令和5年からは企業家塾も「アドバンス編」がスタートしました。本区が現実に即した創業支援に舵を切っていること、また利用者が順調に伸びていることを評価しています。
②融資貸付金額の減少について
上田の課題:中央区の融資貸付金額が減少している要因は
中央区の融資貸付金額が令和3年、218億から令和5年位は113億と減少している。この要因は?
中央区の見解:コロナの緊急融資を除けば、融資額は例年並み
コロナの緊急融資で膨張していた。その部分を除けば、例年と変わらない数値である。
上田の想い:安定的な融資供給を評価しつつ、多様化する資金調達ニーズに対応した支援策の拡充を要望
融資が100億程度、安定的に供給されているのは、区のベース施策として評価できます。一方、近年は融資だけにとどまらず、クラウドファンディングや社債発行、ベンチャーキャピタルから投資など、金融のあり方は多様化しています。中央区の資金支援策も、これらの時代ニーズを踏まえて多様化させていただくよう、要望いたしました。
③中央区の「創業地」としての魅力について
上田の課題:中央区の創業地としての魅力点は
そもそも、創業地というのはイメージで決まりがちである。例えば六本木はハイエンド・かっこいいイメージ、渋谷ならITベンチャーのイメージがあるから、自ずと起業家が集まっている。中央区が「創業地」として選ばれる際、何が魅力だと思っているか。
中央区の見解:交通利便性、多様な企業、江戸の雰囲気
大きく3つあると思っている。
1.交通利便性
2.大企業、老舗、金融機関の集積がある
3.派手さはないが、江戸の雰囲気がある
いずれも本区の魅力を活かして、発信することで創業者を増やすように努めていきたい。
上田の想い:中央区独自の魅力を活かしつつ、利便性の高い場所にサテライト型の産業支援拠点を設置すべき
中央区で登記し、経営している立場としては「渋谷区、港区にない魅力とイメージ」というのは確かに存在すると思っています。交通利便性はもちろんですが、東京証券取引所や日本銀行をはじめ、IPO(上場)を狙う立場からすれば、必要な企業が揃っている点は魅力ですし、印象として「真面目で実直な人」が多い印象です。長年、商人の街として培ってきた文化・風土、そしてそれに基づく町会文化(最新の調査でも50%を超える加入率!)は独自のものと言えます。その中で、交通利便性の観点で鑑みれば、産業支援拠点の「産業会館」が東日本橋にあるのはちょっとイマイチと言えます(私は東日本橋なのでよくわかるのですが、あのエリアは住宅街です)。今後、サテライトのような形で、八重洲や京橋、銀座などに支援拠点を作っていくべきではないか、という問題提起をいたしました。
④レッツ中央の利用率について
上田の課題:レッツ中央の年1回以上の利用率は
レッツ中央(中央区独自の公社で、福利厚生サービスを提供している)の会員数は横ばいだが、年1回以上の利用率はどうなっているのか。
中央区の見:会員数の60.3%
会員数は令和6年、9499人に回復した。年1回の利用率はのべ1576事業所、5704人で、企業数のうち93.25%、会員数の60.3%に活用いただいている。
上田の想い:レッツ中央の認知度向上を図り、充実した福利厚生サービスを創業者誘致に活用
レッツ中央は“区の財源が豊かじゃないと“できない施策の1つと言えます。本公社に対し、年間1億弱の補助金を投下しています。であるならば、これを認知を広げ、活かしていくべきだと考えます。具体的には、レッツ中央を創業地を選んでもらう1つの役割にすることも手だと思います。わずかな月額で大手企業にも匹敵する福利厚生サービスを展開できることは大きな魅力です。ぜひ新規創業者への積極的な周知を求めていきます。